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No.267 2014年11月1日

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感染性廃棄物


具体的な判断基準
―感染性廃棄物の処理に関わるすべてのもの―

 感染性廃棄物については、再三にわたり言及しているので今さらと思われるが、意外にわかっていない面が
あって、具体的な取り扱いについて困っているようなので、改めて判断基準を取り上げることにする。

感染性廃棄物の判断基準
感染性廃棄物の具体的な判断に当たっては、1,2または3によるものとする。
1 形状の観点
 (1)血液、血清、血漿及び体液(精液を含む。)(「以下血液等」という。)
 (2)手術等に伴って発生する病理廃棄物(摘出または切除された臓器、組織、郭清に伴う皮膚等)
 (3)血液等が付着した鋭利なもの
 (4)病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの

2 排出場所の観点
  感染症病床、結核病床、手術室、緊急外来室、集中治療室及び検査室(以下「感染症病床等」という。)に
  おいて治療、検査等に使用された後、排出されたもの

3 感染症の種類と観点
 (1)感染症法の一類、二類、三類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症の治療、
   検査等に使用された後、排出されたもの
 (2)感染症法の四類及び五類感染症の治療、検査等に使用された後、排出された医療器材、ディスポーザブル
   製品、衛生材料等(ただし、紙おむつについては、特定の感染症に係るもの等に限る。)

 通常、医療関係機関等から排出される廃棄物は「形状」、「排出場所」及び「感染症の種類」の観点から感染性
廃棄物の該否について判断できるが、これらいずれの観点からも判断できない場合であっても、血液等その他
の付着の程度やこれらが付着した廃棄物の形状、性状の違いにより、専門知識を有するもの(医師、歯科医師
及び獣医師)によって感染の恐れがあると判断される場合は感染性廃棄物とする。
 なお、非感染性の廃棄物であっても、鋭利なものについては感染性廃棄物と同等の取り扱いとする。



◆法制度検討委員会◆

感染性廃棄物における異物混入
―各自治体に対して指導強化を要請―

 感染性廃棄物の特徴として、梱包されると中身を確認することができず、異物(水銀や化学物質)が混入
された場合リスクを伴う場合がある。このような危険性の高い廃棄物を、感染性廃棄物と思い込んで
処理した場合を考え適切な方法を要請されている。そこで全廃連の法制度検討委員会では、「感染性廃棄
物における異物混入について」環境省発行のマニュアルに掲載していただくとともに、各自治体においても
指導強化をお願いしたいと、要請することにした。


――判断を明確に――

 医療廃棄物とは、今さら言うこともなく医療に関わる、すべての廃棄物を指すものであると認識しているが、世間一般ではそうでもないらしい。そのよい例が感染性廃棄物と医療廃棄物と、どのように違うのか明確な答えは返ってこない。感染性廃棄物の該否の判断は、廃棄物「形状」「排出場所」又は「感染症の種類」から客観的に判断することを基本とする、と言い血液製材や医療器材等を挙げている。一部詳しく挙げると医療器材として、注射、メス、ガラス器材(試験管、シャーレ、アンプル、バイアル等)、ディスポーザブル製品、ピンセット、注射器、カテーテル類、透析材等回路、輸液セット、手袋、血液パック、リネン類等、衛生材料、ガーゼ、脱脂綿等、その他、紙おむつ等を挙げている。このように具体的に項目を挙げていることは、関係者に意識をもって、当たることを促している。通常医療機関からの排出されるものは、一応感染性廃棄物と一般廃棄物、産業廃棄物として排出されるが、専門知識を有する者がいても、感染性廃棄物として判断・処理されない場合もあるから厄介である。それというのも最近は、形状、排出場所、感染症の種類地の観点からも判断できない場合があるからで、その点十分考慮しなければならない。なんでも感染性廃棄物として処理すべしとするか、この程度では一般破棄物として処理しても良いとするか、一番困る場面である廃棄物が、排出される形状、排出場所、及び感染症の種類の観点から感染の恐れがあると判断した場合は、感染性は器物として処理するとうたっているので、医療機関に所属する医師、歯科医師、獣医師は、明確な判断を下さなければならない。

医療廃棄物研究所  所長 渡辺 昇