医療廃棄物処理のパイオニア

最新情報

医療廃棄物処理の今が分かる、医療廃棄物ニュース

ここに記載されているニュースの内容は、転用・コピー・配布など、ご自由にお使いください。(毎月1日発行

力強い医療廃棄物処理業務のパートナー医廃NEWS

No.261 2014年5月1日

コスモ理研ホームページhttp://www.cosmo-riken.co.jp/ の最新情報 医療廃棄物NEWSをクリックしても見ることができます


医療廃棄物勉強会


今後の取り組みについて検討
―回収システムの必要性を強調―

 既報の通り、第2回医療廃棄物勉強会が東京都産業廃棄物協会・医療廃棄物委員会主催で、去る3月28日
予定通り行われたが、その検討内容についてとりまとめてみた。

◆検討内容◆
(1)使用済注射針回収事業の検証(開始後10年経過)
(2)使用済み注射針以外の在宅医療廃棄物(非鋭利な在宅医療廃棄物)の適正処理
  ※拡大生産者責任に基づく回収システムの必要性

検討に当たっての留意事項

(1)廃棄物の処理作業員が、通常のごみ処理時に効率的に、安心して安全に扱う事が出来る方法とする
(2)患者や介護者にとって、排出方法がわかりやすいこと
(3)自治体が異なっても、共通の理解のもと処理方法等について、同一の対応が図られるよう、事実や判断に
必要な情報を可能な限りわかりやすく提供する

その他・在宅医療廃棄物の回収システムの必要性・今後の取組等を挙げ、患者や介護者にとって負担の
少ない処理方法を関係者間で協議を行い、取り組みを進めていくことが必要としている。

■在宅医療廃棄物とは
在宅医療に伴い家庭から排出される医療廃棄物をいう。高齢化社会の進展に伴い、慢性疾患の増加や自宅
での医療を受けたいという要望に対応するため、今までは医療機関で行われてきた医療技術が在宅において
も実施されるようになった。このため、従来、医療機関からのみ排出されていた注射器等の医療廃棄物が家庭
からも多く排出されるようになっており、都民やごみ収集時の作業員の針刺し事故の防止が課題となっている。

■回収事業の対象となる在宅医療廃棄物とは
在宅医療廃棄物のうち、在宅患者が薬局から購入し、家庭からごみとして行政収集に排出されている注射針。

━━ここらあたりで安配を━━

       
 なぜこのような題にしたか、医療廃棄物処理については、古くから再三に渡り処理事業者の自浄・自助努力を訴えるとともに、排出事業者(主に病院)に対しても、少なくとも法制度を守っていただきたいと願ってきたが、形式的にはある程度守られているようだが、実態は一向に変わらない様で、見えないところで不祥事は続いているようである。確かに法律は再三改正され、排出事業者の責任が強化され、それに従い処理業者の自浄・自助努力も促され、一応「感染性廃棄物」として、取り扱う形になった。形は体を表すと言うが、見方によってこれほど違うのも珍しい。ある時は一般廃棄物となり、特別管理廃棄物ともなり、感染性廃棄物になるのだから、数十年にわたり医療廃棄物問題に携わってきた者として、どう判断していいやらと戸惑っている。これまでのように排出者側のやり繰りで処理するには限界があり、適正な処理には適正な料金が必要と、当然そうなるのだが、それがそうはいかないのが現実で、それというのも形式だけは決まったが、判断材料としてあるのは、特別管理廃棄物処理許可証だけで、依然として排出事業者としての意識やコスト負担問題、処理業者間の競争、低価格化などの要因が、複雑に絡んで難しくなっている。そこで「今まで大きな事故も起こさなかったし、あまり問題が出なかったから、いいのではないか、言うならば、おおむね良好」でいつものように済ましていたし、処理業者の方も一部の不適正業者がいるだけであると、お茶を濁してきたのである。ところが大部分の処理業者は法に触れないまでも、適正でないことは何となくわかっているので、自主的に規制しようとする動きもあるようだ。そこでこの辺りでもろもろの問題を含めて、安配をつけようとの提案をする次第である。大袈裟な様に思えるが要はお互い言うべきことは言いつくしたのだからこの辺で折り合いを付けようではないかと思うのである。


医療廃棄物研究所  所長 渡辺 昇