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No.230 2011年11月1日

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WDS(廃棄物情報ノート)


医療廃棄物のより良い適正処理に向けて
―WDS活用についてのアンケート調査結果―


 WDS(廃棄物情報ノート)の利用について、東京産業廃棄物協会・医療廃棄物委員会が、アンケート調査を実施することは、先号で発表していたところで、この程その結果が集計された。アンケートはWDSを知っているかに始まり、分別で困っているかを中心に、その具体的内容に及び、次の集計結果を得た。

集計結果から
1、 WDSの正しい記載の徹底を図る。様式・方法等は、各社独自のもの。
2、 WDSがないため情報不足が起こり、正しい処理ができない。                  
     ◎特に液状物
3、 廃棄物情報としては、感染性廃棄物以外の特管物の情報が特に必要。劇物・毒物・保護具の取り扱い・感染性、危険物の組成(爆発性、帰化吸引の危険等)・試薬毎の分別、処理方法・有害物の有無他・シアン化合物廃液・試薬等・廃薬品・廃油。
     ◎液状物の組成と危険度等情報は必要。
4、 感染性廃棄物の分別;注射針の混入。血液・他の液体をダンボール箱への混入。依頼以外のものを混入。                                           
     ◎ダンボール箱への詰め過ぎ禁止。
5、 分別;排出事業者より問合せ。点滴のプラ部・紙おむつは感染か。分類表の対応はまちまち。     
     ◎医療機関向け分類表・混在禁止表が必要。
6、 感染性廃棄物以外の混在;金属製品(バット・トレイ)などの他のものの混入(アスベスト・鉄製の器具・配管類・テレビ・動物の死骸・乾電池・試薬・スプレー缶;小爆発等)、医療機関が一般・産廃の分別を知らない。
7、 密閉プラ容器であり混入がわからない。                          
     ◎WDSとの不一致をなくす方法。不明物の混在。分別しないで何でも入れる。           
     ◎鋭利な注射針などは、プラ容器に入れ、他のものへの混入が起きない分別。           
     ◎感染性廃棄物と非感染性廃棄物問わず内容未確認の混在は、原則禁止。

(社)東京都医師会


医療廃棄物適正処理推進委員会
―新年度の役員決まる委員長に松本賢治先生―


 (社)東京都医師会は先般本年度の医療廃棄物適正処理推進委員会を、次のように改選し発足させた。

委員長 松本賢治  (東京都医師会)
委員  畑中貞司  (日医総研 主席研究員)
同上  梅澤俊彦  (日本医事新報社 代表取締役)
同上  五十嵐和代 (東京産業廃棄物協会 常任理事)
同上  芝田稔秋  (東京産業廃棄物協会 顧問弁護士)
同上  鈴木三好  (コスモ理研株式会社 代表取締役)
同上  越智利春  (東京都環境整備公社 事業部長)
       

原発事故を重視


 発生から半年以上、東日本大震災の後遺症はあらゆる面で収束の気配は見られず、かえって大きくなってゆくようである。
 立ち上がれ東北・がんばれ東北と叫んだところで、一部では反響があっても全般的には、低調と言わざるを得ない。一般の声は食物類の安心・安全の声が強くなっている。それというのも今回は原発事故が重なり合っているからである。
 当初は農畜産物から、暫定基準値を超える放射性物質が検出されたとし、数字がひとり歩きしたきらいがあり、広範囲にわたる放射性汚染という、今まで体験したことのない事態になってきた。
 世の中よくしたものですぐ対応策が取り沙汰され、多くの出版物として発表されている。放射能汚染から守り抜く方法、自らと子供を放射能から守るには、今ある放射能を取り消す食事、などなどかなり具体的である。要はこれから放射能とどう向き合うかで、今まで言われてきたことの集大成ともいわれ、結論は原発はいらないにつきるのである。
確かに原発はいらないとなれば、今回のような事故は起こらないし、対策も立てることもなかったといえる。とはいえ現に原発事故は起きているし、放射性物質は拡散し続けていることを考えると、今さら放射能汚染が広がることは、わかっていたといっても後の祭りとしか言いようがないのである。
そこで医療廃棄物であるが、放射性物質が出てきたからには、なんとか対応せざるを得ないと思う。紙おむつの時とは規模が違うことはわかっていても、とりあえずは分別して一時保管せざるを得ないのであろう。それにしても情報が多すぎ、根拠のない「大丈夫だ」に振りまわされることが心配なのである。
医療廃棄物研究所 所長 渡辺 昇