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No.203 2009年8月1日

暑中御見舞い
申し上げます

平成二十一年 盛 夏

医療廃棄物研究所
所 長 渡辺 昇

(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会

「医療廃棄物処理の基礎知識」を発刊
医療廃棄物の種類と判断基準を明記

既報の通り、(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会では、「感染性廃棄物処理自主基準」の改定と並行して、適正処理の手順書とも言うべき「医療廃棄物処理の基礎知識」の作成を急いでいたが、このほどA4判・全42ページの冊子として発刊、全国の関係者に配布した。

本書は(1)医療廃棄物の適正処理に向けた基礎知識、(2)医療関係機関等の対応、(3)収集運搬業者の管理項目、(4)処分業者の管理項目、(5)安全管理及び事故対策、(6)従業者の教育内容、の6章からなる。医療廃棄物の収集運搬業者や処理業者に向けて、安全かつ適正な処理を行うために留意すべき事項や根拠法令、ガイドライン等の内容を、“手引書”として取りまとめた内容となっている。

◎感染性廃棄物処理指針◎

感染性廃棄物処理自主基準の改訂版
情勢の変化に対応して全面的に見直し

全産廃連・医療廃棄物部会が適正処理を目指して「感染性廃棄物処理自主基準」を作成してから15年が経ち、医療廃棄物処理を取り巻く情勢は大きく変わった。処理方法にも変化が現れ「自主基準」の見直しが求められてきたことを踏まえ、同部会では本年5月に同基準に変わる「感染性廃棄物処理指針―感染性廃棄物処理自主基準改訂版―」を作成、関係者に配布した。

本書は大きく分けて「感染性廃棄物収集運搬指針」と「感染性廃棄物処分指針」の2本柱で構成され、医療廃棄物取り扱い業者に向け、法律を遵守し、従業員の安全に配慮つつ、より質の高い処理を行うよう求めている。

マニフェストの季節

総選挙が近づき、連日各所で「マニフェスト」の文字が踊っている。

マニフェストの意味を辞書で引いてみると、「宣言書、声明書」「船の積荷目録」また「明白な」などと書いてあるので、政界で政権公約や、廃棄物処理業界で適正処理の確保の代名詞となるのも理解できる。

皮肉な見方をするようだが、政界と廃棄物処理業界は似た者同士(?)で、昔から政権公約は破られるもの、適正処理は掛け声だけに終わるものと相場が決まっていた。そこで、再三言ってきたように、どこかの知恵者が横文字(カタカナ文字)の効用を期待して、また従来の状況が改善されることを期待して、この言葉を広めたのであろう。

政界でマニフェストが重視されだしたのはつい最近だが、処理業界ではかなり前から一部の業者間で“回収伝票と処理証明を伴うシステム”を用いて、適正処理の確保に取り組んできたのであり、「マニフェスト」などと気取らずとも、心ある業者は黙々と仕事を続けてきた。

マニフェストは確かに有効な手段である。しかし、これが本当に活きるには、不適正処理をしない(公約を破らない)という大前提を守らなければならないことも、ぜひ忘れないでもらいたい。