No.202 2009年7月1日
新型インフルエンザ対策
まず適正処理研修会から
行政・医師会・産廃協会の連携で
既報の通り、3月末に環境省より「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン」が発表され、処理業者に周知の準備が進められていた矢先に新型インフルエンザが国内にも上陸し、現実問題として対策が要請されているところである。
そこで、東京都ではガイドラインに基づき、まず「新型インフルエンザとは何か」について周知徹底を図るため、去る6月25日、東京都庁・都民ホールにおいて、東京都環境局、(社)東京都医師会、(社)東京産業廃棄物協会の三者共同の研修会を開催した。
当日は医療関係者、各関係団体等、東京都内の処理業者を中心に、全国各地からの参加があり、新型インフルエンザへの関心の高さがうかがえた。
【研修会のプログラム】
・東京都環境局、東京都医師会、東京産業廃棄物協会の主催者挨拶
・環境省の来賓挨拶
〈講演〉
(1)「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン」について
東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座准教授 保科定頼
(2)事業継続計画の策定にあたっての基本事項について
(株)ミダック常務取締役 山口晃生
(3)感染性廃棄物の適正処理の徹底について
―新型インフルエンザ流行に向けて―
(社)日本医師会 常任理事 今村 聡
◎有害・医療廃棄物研究会◎
新たな情勢下での処理方法を検討
第28回研究講演会を東京で開催
有害・医療廃棄物研究会(田中勝会長)は、感染性廃棄物処理マニュアルの一部改訂および新型インフルエンザへの対応をテーマに、恒例の研究講演会を下記のとおり開催する。
―記―
日 時 | : 平成21年7月10日(金) 10時〜16時30分 |
会 場 | : 東京慈恵会医科大学 中央講堂(大学本館前棟2階) |
参 加 費 | : 会員(廃棄物資源循環学会員を含む)5,000円、 非会員10,000円、学生1,000円。懇親会費:3,000円 |
問い合わせ先 | : 有害・医療廃棄物研究会 事務局(Tel:03-5714-0360) |
パンデミックへの対応について
廃棄物処理業界でも横文字を使う機会が多く、それなりの効用があり、一応納得はしているが、違和感があるのも事実である。
そんなことを考えていた折、新型インフルエンザ問題が持ち上がり、「パンデミック」とか「フェーズ6」といった言葉が盛んに報じられ、各分野でその対策が論じられている。一方で、いざ現実となればパニック状態は避けられず、いろいろと今後の教訓を示してくれたと思う。
そこで、各分野の対策を見た場合、“ひがみ根性”と言われるかもしれないが、医療関係者への対応と医療廃棄物処理関係者への対応にずいぶんと差があるようで、現状では仕方ないと思いつつも、何か釈然としないものが残る。
行政当局は処理業界に対して「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン」を発表し、パンデミック状態でも処理事業を継続するよう要請しているが、事業継続と簡単に言える状況なのだろうか。確かに処理業者は日頃から感染性廃棄物を取り扱っており、それほど心配することはないと見る向きもあるが、現状認識の甘さや装備の貧弱さからいって、十分な対応ができるとは考えにくい。
くどいようだが、そこで教育・研修の更なる拡充が重要になってくるのである。