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No.189 2008年6月1日

(社)全産廃連・医療廃棄物部会

情勢の変化による対応分科会を設置
第1回感染性廃棄物処理方法検討分科会を開催

(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会では、その時々の情勢に応じて分科会を設け、問題点の整理・検討を重ねているが、このたび「感染性廃棄物処理方法検討分科会」を設置し、第1回分科会を6月10日、都内の全産廃連事務所で開催することになった。
現在、医療廃棄物の処理方法は、医療廃棄物全般はもちろん、感染性廃棄物についても焼却が大半を占めている。一応「感染性廃棄物処理マニュアル」で焼却・溶融・高圧蒸気滅菌・乾熱滅菌・消毒など複数の処理方法が示されているが、処理の事後確認が難しいなどの理由で一般的に普及しておらず、一部病院で院内処理が行われるにとどまっていた。
最近になって、処理業者の間で各種滅菌装置を使用した事業を展開する傾向が出てきたので、焼却のように自主基準の作成を含め、この問題を本格的に取り上げ検討することにしている。

医療廃棄物研究会

恒例の研究講演会開催が決定
第27回研究講演会

医療廃棄物研究会・研究講演会の開催日程が下記のとおり決定した。詳細は追って公表される予定。

―記―
日  時  : 7月25日(金)10時〜17時(続いて懇親会を開催)
場  所  : 東京慈恵会医科大学
問い合わせ先  : 医療廃棄物研究会(TEL:03-5444-5470 FAX:03-5444-5471)
※研究会の電話番号・FAX番号は上記に変更となりました。ご注意ください。

(社)全国産業廃棄物連合会

ADPP(医療廃棄物編)の評価徐々に高まる
関係団体がパンフレットや手引書等で紹介

(社)全国産業廃棄物連合会が進めている「適正処理推進プログラム・医療廃棄物編(通称:ADPP)」については、関係者から評価されながらも普及が遅れ、全国的な展開には程遠い状況であったが、最近になって自治体や団体が発行するパンフレット(東京都環境局や日本医師会など)に、ADPP業者への委託を推奨する文面が明記されるようになり、その後の反応が期待されている。
なお、本年度(平成20年度)の第1回ADPP参加受付は5月30日で締め切られ、審査委員会を経て後日正式に参加業者が決まることになっている。引き続き9月までに第2回、第3回の受付を行い、本年度の受付は終了する予定。

良い競争・悪い競争

「医は仁術」から「算術」に変わって久しいといわれる。そうなると、当然自由競争の原理が導入されることにもなり、医療はサービス業だという議論も盛んになってきた。その一方で、医療は一般のサービスとは異なり安心・安全が最優先する職種で、競争などもってのほかと断じる関係者も多い。

とはいえ、医療にまつわるさまざまな問題も、財源の確保がなされてはじめて解決できると思うので、経済性を無視するわけにはいかない。

医療問題の一つでありながら常に蚊帳の外に置かれてきた「医療廃棄物処理」は、サービス業とみなされるがゆえに(産業廃棄物処理はサービス業と認定されている)市場原理の悪影響をもろに受けており、これが適正処理の道を阻んでいると言わざるを得ない。

医療行為は、医療廃棄物を適正に処理するところまで行ってこそ完結するものだと信じている私にとって、なんともやりきれない現実である。「良い競争」をすればいいと単純に考えられればいいが、残念ながら世間の空気に押され「悪い競争」が目立っているのが悲しい。

しかし、関係者の努力により状況が多少変わりつつあることも事実で、東京をはじめとして全国各地の行政・医療界・処理業界が協力して協議会等を立ち上げており、医療廃棄物の適正処理方式の確立を目指して動き出しているので、今後の展開を注視したい。