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力強い医療廃棄物処理業務のパートナー医廃NEWS

No.187 2008年4月1日

(社)日本医師会

在宅医療廃棄物の取り扱いガイド発行
関係者の理解と協力を要請するために

在宅医療廃棄物問題については、既報の通り、行政・医療界・処理業界等によって実態調査が行われ、それぞれの立場で対応の検討に入っているが、(社)日本医師会では「在宅医療廃棄物適正処理ガイドライン」を作成し、このガイドラインに基づいて「在宅医療廃棄物の取扱いガイド」(B5版8ページ)を発刊、在宅医療に関係する人々に配布して在宅医療への理解と協力を求めている。

在宅医療廃棄物の種類

【プラスチック類】

  • ・バッグ類(輸液・畜尿・人工肛門・CAPD・栄養剤等)
  • ・チューブ類(吸引チューブ、輸液ライン、CAPDチューブ等)
  • ・カテーテル類(導尿カテーテル等)
  • ・その他(注射筒等)

【布・紙類】

  • ・ガーゼ類、脱脂綿類、紙おむつ類等

【ビン類・缶類】

  • ・栄養剤容器・点滴ボトル等

※上記廃棄物すべてが感染性廃棄物ではないが、各地域によって収集・処理 方法が異なるので、注意が必要である。

(社)全国産業廃棄物連合会

医療廃棄物適正処理推進プログラム(ADPP)
参加要項を一部見直し、本年度も実施

先ごろ行われた全国産業廃棄物連合会の理事会で、医療廃棄物部会が中心となって実施している「医療廃棄物適正処理推進プログラム(ADPP)」を本年度も実施することが決まり、従来の参加要項を一部改訂して4月1日に公示することになった。
なお、主な改訂項目は、収集・運搬業については、(1)運搬車両の構造が連合会策定の自主基準に合致すること、(2)車両台数は感染性廃棄物専用車両として登録してあるもの(積載量明記)とすることなど、中間処理については、処理能力のうち感染性廃棄物の割合・昨年度の処理実績・施設の処理能力が見合っているかを確認することなどであり、従来以上に審査を厳しくしている。

医療廃棄物処理の難しさ(今さらいうのも何ですが…)

病院の排水処理については、法的整備が進んでいないために、以前からいろいろと指摘されているところだが、先ごろ期せずして二つのことが起きた。一つは、大阪の病院が透析排水や汚泥などを一般廃棄物として処理していたために、行政の立ち入り検査が行われ指導を受けたこと。もう一つは、日医総研より「病院排水の処理状況に関する調査―病院のリスクを考える」が発表されたことである。

病院から出る排水には、(1)感染の恐れのある病原体、(2)重金属等の有害物質、(3)抗生物質等の薬品類、が含まれているので、原則として排水を分流し、リスクを分散することが求められているにもかかわらず、調査によれば、半分以上の病院で行われていないことが明らかになった。

たしかに、水質汚濁防止法による規定や、医療法による放射性排水の減衰処理の規定によって、一応病院の排水は規制されているが、肝心の病院排水を個別に規制する仕組みがないため、大阪では一般廃棄物と誤解していたり、日医総研の調査報告で分流5割以下という結果が出たといえる。

医療廃棄物と考えるべきものが、法の不備によって誤解されたり、経済的問題が優先して設備が進まない現状がはっきりしたことから、やはり、医療廃棄物の適正処理はまだまだ難しいといわざるを得ない。