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No.183 2007年12月1日

振興センター内に検討会を設置

在宅医療廃棄物の適正処理を再度検討
行政・医療界・処理業界の実態調査を踏まえ

既報の通り、在宅医療廃棄物の処理については、行政・医療界・処理業界が、期せずしてそれぞれの立場から実態調査を実施し、報告が発表されたところである。
その結果、各分野とも十分な役割を果たしていないことが明らかになったとして(従来の通達等では役割を果たそうにも果たせないという意見もある)、環境省は(財)日本産業廃棄物処理振興センター内に、行政・医療界・処理業界等の関係者からなる検討会を設置、「在宅医療廃棄物の適正処理の推進方策等に関する検討」を、平成19年度中に再度行うことになった。
なお、検討内容は以下の通りである。

■新規検討会における検討内容■
(1) 在宅医療廃棄物の種類・危険性
(2) 在宅医療廃棄物の安全な取扱方法、処理方法
(3) 在宅医療に係る関係者(どのような関係者がいるか、関係者との協議、患者等への周知・啓蒙等)
(4) 排出量の推計方法
(5) 処理計画策定の手順
(6) 処理計画策定例
(7) 在宅医療廃棄物の処理に関する先進事例

(社)日本医師会

医療安全対策マニュアルを配布
関連法規の中で医療廃棄物処理を取り上げ

(社)日本医師会では、医療法改正により全医療機関に感染防止対策が義務付けられたことを受け、「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」の作成に取り組んできたのは既報の通りだが、このたび完成したため、全国の医師会会員に配布した。
従来、この種のマニュアルは院内感染防止対策が主体で、医療廃棄物処理については多少触れているだけのものが多かったが、今回のマニュアルでは単独で1項目を設けており、
「(1) 廃棄物の分類と感染性廃棄物の判断・処理」、
「(2) 感染性廃棄物の管理・処理・委託」、
「(3) 感染性廃棄物処理業者選択のチェック項目」(表付き)、
「(4) 既存の評価制度等を活用した感染性廃棄物処理業者の選択」など、
多岐にわたって掲載されているのが特徴である。

それにつけても壁の多さよ

長年仕事をしてきて、世の中いかに壁(障害といったほうがわかりやすいだろうか)が多く、かつ厚いかを体験してきたため、協調と嫉妬の構造の中で、仕方がないと一寸虚無的になることもある。

さまざまな場面で「物の壁」「制度の壁」「意識(人)の壁」が大きく手を広げており、真の改革を阻んでいる。

古くからいわれているように、日本型社会の基本にあるものは「終身雇用」や「年功序列」であり、これを基盤とした集団的意思決定の構図である。最近はそんなことはないという人もいるが、未だ残るこれらの壁は実に強固で、そう簡単に崩れるものではない。

医療廃棄物問題一つを取り上げても、不完全ながら「感染性廃棄物」と位置づけられて10数年が経過したが、当初より指摘されている多くの問題点が解決されたとは到底言い切れない状況である。

最も端的な課題である「感染性廃棄物の定義・区分の見直し」は、その折々に検討課題に上りながら、常に「問題なし」「処理もおおむね良好」という結論で終わる。

しかし、先ごろの行政、医師会、全産廃連それぞれの在宅医療廃棄物処理の調査結果を見るかぎり、「おおむね良好」などといえない状況は明らかであり、今こそ壁を打ち破る方法を考える良い機会ともいえる。