医療廃棄物処理のパイオニア

最新情報

医療廃棄物処理の今が分かる、医療廃棄物ニュース

ここに記載されているニュースの内容は、転用・コピー・配布など、ご自由にお使いください。(毎月1日発行

力強い医療廃棄物処理業務のパートナー医廃NEWS

No.181 2007年10月1日

(社)産業廃棄物処理事業振興財団

専門業者の育成がなぜ進まないのか
優良化事業の一環で行ったアンケート調査

産業廃棄物処理業者の優良化事業を推進している(財)産業廃棄物処理事業振興財団は、推進事業の一環として、全国の産廃処理業者を対象とした事業活動の現状に関するアンケート調査を行い、先ごろその結果を発表した。
結果については、予想どおり収運業者(積み替え保管なし)が7割以上を占め、うち兼業が8割以上だった。また、兼業のうち、産廃処理関係のみの従業員規模では、5人未満の会社が約7割に達している。
いずれにしても、一般的には建設業・運送業との兼業が多く、一部大企業(100億以上の売上)があるにはあるが、全般的には中小零細企業が非常に多いことが、数字の上でも証明されている。
このことは、当然医療廃棄物処理業者にも影響し、本格的な専門業者の育成を阻害している。

◆産廃処理業界の成長を阻害している要因◆

なお、同時に行った、処理業界の成長を阻害している要因についてどう考えるかを尋ねた結果は表のとおりになった。

順位 内 容 件数
1 自治体の許可行政・判断・運用 435
2 廃掃法の規制強化 425
3 事業拡大の資金調達 333
4 競争の激化 297
5 排出事業者の理解不足 206
6 取締りの不徹底 198
7 業界に対する社会的評価の低さ 184
8 人材・人手の不足 181
9 人件費・処理等コストの増大 169
10 廃掃法等の許可取得規制 137

(社)全国動物薬品器材協会

認定研修会用テキストが完成
今後も販売員の手引きとして利用

既報のとおり、(社)全国動物薬品器材協会では、「動物用医薬品販売員認定研修用テキスト(平成19年度)」の作成を進めていたが、このほどA4版195ページのテキストが完成した。

このテキストは、動物用医薬品の適正な流通、的確な使用に資することを目的として、昭和58年から5年ごとに発行し、販売員の認定研修会に使用されるもの。この中で、今回は「廃棄物処理法による医療廃棄物の位置付け」と題して、初めて医療廃棄物の処理に関する問題を取り上げており、今秋開催が予定されている研修会で使用されることになっている。

恐ろしい業界なのか

今回はちょっと危ない話をしようと思う。

最近の世間に流れる風聞は、安心・安全を脅かす事柄が多く、今さら産廃業界のことを取り上げてもインパクトはないかもしれないが、恐ろしい業界との汚名は依然として付いてまわる。

なぜそうなのか、特に医療廃棄物を取り扱っている業者に絞ってみると、その原因の一端が明らかになる。再三述べているように、多くの一廃・産廃業者が、十分な教育・研修を経ずにただ儲かると思って参入したことと、経営者は別として、従業員、中でも直接作業に携わる者たちがすぐ辞める傾向があり、言うなれば構造的欠陥と経営者の資質の問題なのである。

つい最近、ある業者から私のところに連絡があり、「実は他の業者と差をつけるため、今までビニール袋で回収していたのを、段ボール箱に詰めたいので、どんな容器がよいか教えてほしい」と言われて驚き、ウソではないかと思ったばかりである。

法改正以降10数年、マニュアルの普及や適正処理の推進を声高に叫んでみても、現実はダンピング競争に血道を上げ、処理の質などはいまだに夢のまた夢だったかと、今さらながら考えてしまった。
こんなことが続く限り、優良化など絵に描いた餅で、恐ろしい業界の汚名は拭い去ることはできないのではないか。