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No.177 2007年6月1日

漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査

全国7地域を指定し調査
医療廃棄物の漂着が多い地域を中心に

近年、日本海沿岸を中心として、海外からの漂着物、特に医療廃棄物などの危険なゴミが発見されるようになり、環境省ではその対策を検討してきた。

そこで、このたび同省では「漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査」を実施することになり、調査モデル地区として、石川県、福井県など全国5県7地域の海岸を指定した。今後、ゴミの分類や漂着経路、発生源の特定を行うとともに、効果的な処理方法を構築することにしている。

【調査モデル地域】
(1)羽咋・滝海岸(石川県)
(2)梶地先海岸(福井県)
(3)答志島・桃取東地 先海岸他(三重県)
(4)越高海岸(長崎県)
(5)志多留海岸(長崎県)
(6)石垣島 吉原海岸〜米原海岸(沖縄県)
(7)西表島 住吉海岸〜星砂の浜〜上原海岸(沖縄県)

東京都医師会・医療廃棄物適正処理推進事業

ICタグを導入、電子マニフェストへ接続
本年5月より、事業参加の全医療機関で

現行のマニフェスト制度は、主に紙マニフェストが使用されているが、その限界が指摘されている。そのため、「東京都医師会・医療廃棄物適正処理推進事業」では、従来より紙マニフェストにバーコード方式を併用することで、信頼性を高めた医療廃棄物の個別追跡検証システムを行ってきた。

そこでこの5月からは、さらなる処理の透明化を実現すべく、事業を実施している地区医師会はもちろん、今後実施する地区全部の廃棄物にICタグを使用し、電子マニフェストに接続・管理することになった。

病院機能評価制度

医療廃棄物の処理は適切か
項目を当初より増やして評価

(財)日本医療機能評価機構が行っている「病院機能評価」を受審する病院が着実に増加している。その中で、医療廃棄物に関する評価項目を見ると、大項目は設定当初とさほど変化していないが、小項目の評価項目は増えている。現在の評価体系(Ver.5.0)では、廃棄物の分別・梱包・表示等をはじめ、保管状況や処理過程まで、全体として適切であるかを評価するため、小項目で細部にわたって評価している。

【評価項目(大項目)】
(1)廃棄物処理の管理責任者がいる
(2)廃棄物の分別・梱包・表示が適切である
(3)廃棄物の保管状況が適切である
(4)廃棄物の処理過程が適切である

規制改革は緩和だけなのか

「規制緩和」が言われて久しいが、途中で「規制改革」に言い直された頃から、ちょっとおかしいなという気がしていた。

たしかに、規制などないほうがよく、あるならば緩和するに越したことはない。そうは言っても世の中、規制がなかったり、むやみに緩和されたりするとどうなるか。大げさにいえば、古今東西、混乱した状態となり、良いことなどあまりないようだ。

至近の例として、タクシー業界の新規参入に関する規制緩和がある。先ごろ、競争激化による悪影響から、一部規制を復活せざるを得ない状況となったのも、規制改革の中身が「緩和」だけでは、このような負の側面が現れかねないことを物語っている。

そもそも、規制緩和を規制改革というようになったのには、それなりの理由があったはずで、何事も緩和するだけでは、弱肉強食の世界が現出されることは目に見えていたはずだった。必要なのは規制の「緩和」だけでなく、全般的な「改革」なのである。

毎度のことながら医療廃棄物処理に当てはめてみると、残念ながら規制緩和など夢のまた夢で、当分は規制強化に力を入れざるを得ないようである。規制改革が規制緩和の単なる別名と思われている限り、関係者にとっては難しい対応を迫られるとは思うが。