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No.175 2007年4月1日

(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会

ADPP(医療廃棄物編)の19年度実施を決定
本年度も3回に分け4月から9月にかけて受付

(社)全国産業廃棄物連合会は、先般の理事会において、平成19年度のADPP(適正処理推進プログラム)医療廃棄物編の実施を決定した。
許可証の写しの提出を含め、参加要項が多少手直しされ、昨年度同様4月から9月にわたって受け付け、参加資格審査を経て正式に決定する。なお、参加が決定次第、業者名を全国産業廃棄物連合会のホームページに掲載する。

【医療廃棄物部会・各分科会の開催予定】
(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会は、3分科会を設けて具体的な活動を展開しているが、今年度は

(1) 医療廃棄物適正処理標準化分科会を4月12日
(2) 在宅医療廃棄物対策分科会を4月27日
(3) 感染性廃棄物処理方法検討分科会を4月中

にそれぞれ開催することになった。

優良性評価制度

評価基準適合事業者相次ぎ誕生
東京都では第三者評価制度を検討

環境省の「産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係わる評価制度」は2年目に入り、全国で適合事業者の認定が相次いでいる。
この制度については、かねてより国の評価方式と東京都の方式(岩手県では独自方式により実施中)に多少差異があり、都の実施も遅れていたが、先ごろ第三者評価制度を含む東京都方式が明らかになり、本年度(平成19年度)より実施することになった。東京都には全国最多の医療廃棄物許可業者がいるため、法令上は義務付けられてない制度とはいえ、注目が集まっていた。

【国と東京都の優良性評価制度の比較】
1.評価実施主体
国 { 都道府県・外部機関の活用も可能 }
都 { 第三者機関を設置する }

2.評価基準
国 { (1)遵法性、(2)情報公開、(3)環境保全への取り組み }
都 { (1)遵法性及び適正処理、(2)適正処理・リサイクルに向けた自主的取り組み、(3)環境企業としての先進的取り組み }

3.評価項目
国 { (1)遵法性については、環境法令による不利益処分が5年間ない等。(2)情報公開については、財務諸表等を含む会社情報。(3)環境保全への取り組みについては、ISO14001およびエコアクション21いずれかの認証 }
都 { (1)遵法性及び適正処理については、法令を遵守するために必要な項目。(2)適正処理リサイクルについては、法令以上の取り組みにより透明性が確実に担保できる項目。(3)先進的取り組みについては、温暖化対策など環境に配慮した必要な項目 }

※東京都では、評価項目をステップ I とステップ II に分類し、それぞれの視点から評価することにしている。

優良化事業の難しさ

産業廃棄物処理業者(収集・運搬、処理、処分)の優良化推進事業は、ようやく軌道に乗ってきたようで、各地で業者名が発表されている。

しかし、東京都や岩手県は、いわゆる環境省方式ではなく独自の方式で行うことになっているなど、何だか納得のいかない面もあり(産業廃棄物は広域処理が建前であるため、各地方自治体が統一的な対応をしていれば問題はないのだが)、今後の動向が気にかかるところである。

そもそも、お墨付きを与えた業者を再度審査にかけ、格付けするという行為自体に異議を唱えている人々もいることを考えると、大変だと思う。

特に、医療廃棄物を取り扱っている業者は、多くが一廃・産廃業者で、そのほかに運送業者、ビルメンテナンス業者、建築業者、不動産業者、医療機器業者等々であり、真の専門業者が非常に少ないことを思えば、優良性の視点をどこに置くかがまず問題であり、医療廃棄物に限ってみた場合、大半は失格するのではないかと危惧している。

大手といわれる業者(一廃・産廃では基準をクリアしている)が、医療廃棄物処理においては必ずしも優良業者ではないことを銘記しておかなければならないので、実際に認定するのはなかなか難しいのではないか。