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No.156 2005年9月1日

アスベスト問題

医療廃棄物処理にも波及か
歯科技工士の中皮腫発症・死亡で

アスベスト(石綿)については、以前より有害性が指摘され、「特別管理産業廃棄物」に指定され、排出から収集・運搬、処分まで一定の基準があり、それなりに取り扱われていたが、先般来のアスベストを原因とする関係者の死亡事例が発表されたことによって、廃棄物処理業界にも大きな波紋が生じている。

主に建廃関係が当事者として今後の対応を検討しているが、歯科技工士が金属冠の鋳造過程でアスベスト(現在は使われていない)を吸い込んだため、中皮腫を発症し死亡した例が報じられたことによって、医療廃棄物処理業者の間に衝撃が走った。

また、病院の倉庫で作業する場合がある収集・運搬業者からは、吹き付けアスベストが心配との問い合わせが多いため、倉庫の粉塵を分析調査する必要性が出てきた。

医療廃棄物の適正処理マニュアル(新改訂)

松島 肇、伊藤機一 編 定価 3,990円(税込)

臨床病理レビュー特集133号として先に発刊したマニュアルを、このたび「感染性廃棄物処理マニュアル」の改訂に沿って新改訂版として刊行したものである。

発売 〒104-0042 東京都中央区入船3-3-3
臨床病理刊行会 Tel. 03-3552-0931

全産廃連・医療廃棄物部会

ADPP(医療廃棄物編)参加を審査
複数の申し込み業者が再審査に

既報の通り、従来ADPP(適正処理推進プログラム)は、所定の書式に基づき参加を申し出れば、原則として審査無しで受け付けることにしていたが、本年度からは医療廃棄物部会の運営委員会において、まず書類審査を行い、不適の場合は面接審査および事業所への訪問調査を行うことにしている。

そこで先般、医療廃棄物部会の運営委員会が開かれ、第1回の審査を行い、問題のない申込者には正式に参加許可を通知した。なお、今回はやはり問題業者の申し込みがあり、再審査をせざるを得ないようである。

なお、参加申し込みに際しては審査をすることが前提としているため、参加要項の再見直しが必要との意見が出ている。

改革には手間暇がかかる

医療廃棄物を知るためには、いわゆる排出現場、処理現場に行く必要などない、と言う人々がいる。この考え方は一つの見識として認めるとしても、科学を凌駕するような哲学をお持ちの方が言うならば納得するが、いわゆる「学識経験者」と呼ばれる人が言うのであれば、一寸首を傾げざるを得ない。

なぜこんなことを言うか、そもそも規制改革の一環として取り上げられた医療廃棄物の定義・区分の見直しが、いつのまにかマニュアル改訂に終わってしまった経緯を見ても、いくら現場サイドで問題があると訴えても、審議したり討議したりする方々が多いため、現場が望んでいた通りにはいかなかったのだと思う。

しかし一方、あまり現場サイドで考えを進めても、良い結果が得られる保障はなく、なかなか難しいところである。

規制改革の一大争点である郵政事業民営化論議の真っ最中である今日この頃、改革には手間暇がかかるものだと、つくづく感じている。